イシュクル/アダド

[メソポタミア神話]

名称 𒀭𒅎diškur〕(イシュクル)【シュメル語】
𒀭𒌋d10〕(イシュクル)【シュメル語】
𒀭𒀀𒁕𒀜da-da-ad〕(アダド)【アッカド語】
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容姿髭の男性神。稲妻を持つ。雄牛に乗る。
特徴天候神。豊饒と破壊の両面を司る。カルカル市の守護神。
出典『アトラ・ハシース叙事詩』ほか

大洪水を起こす嵐の神さま!?

イシュクル神はシュメル神話の天候神。イシュクルは系譜的には天空神アンの息子で、恵みの雨としての側面と、荒々しい暴風雨や洪水の側面を併せ持った神さま。雄牛に乗り、手には稲妻を象徴した武器を持っている。雄牛は鳴き声が雷を連想させるためと考えられる。

かなり古い段階でアッカドのアダド神と同一視されているが、元々はシリア地方で崇拝されるセム系の最高神だったようで、それがエブラやマリなどを経由してアッカドの地に輸入されて、メソポタミア全土で広く信仰されるようになっていった。主要な都市に神殿を持つが、カルカル市(おそらくシリアの地中海沿岸の都市)の守護神とされ、カルカル市にはエカルカル神殿が建てられ、祀られていた。

神話の中ではエンリル神の命令で人類を滅ぼすための大洪水を起こしている。

アダド神はシリアのセム系の神さまであるため、フルリ人のテシュブ神、ハッティ人のタル神、ヒッタイト人のタルフン神と関連しながら、古代オリエントで広く崇拝された。