ガンガー

[ヴェーダ・ヒンドゥー神話]

名称गंगाGaṅgā〕(ガンガー)【サンスクリット】
容姿4本腕で睡蓮の上に座る女神。マカラ(海の怪物)あるいはクムビーラ(ワニ)を騎乗獣にしている。
特徴ガンジス河を神格化した女神。元々は天界を流れる河川。地上にその奔流が降ってきた際にシヴァ神の頭髪が受け止めた。

聖なるガンジス河を神格化した女神!?

ガンガーはインドの北東を流れるガンジス河を神格化した女神。本来、ガンジス(Ganges)というのは英語で、現地では河川そのものも「ガンガー」と呼ばれている。しばしば「母なるガンガー」とも呼ばれる。彼女はガンジス河に棲息するワニを神格化したクムビーラ(あるいはマカラ)を騎乗獣(ヴァーハナ)としている。

ガンガーは、元々はヴィシュヌ神の足の指から流れ出て、天界にあるブラフマー神の町の周囲を回っていたという。しかし、あるとき、賢者バギーラタは、誤ってカピラ仙の怒りに触れて焼き殺された祖先の霊を浄化するために必要なガンガーの聖水を地上にもたらそうと、ヒマラヤ山中で修業を積んだ。古代インドでは、死者は水によって清められる必要があった。ガンガー女神はその願いを受け入れたが、天界から地上へ落下するガンガーの奔流を受け止められるのはシヴァ神のみであると伝えた。そこで、バギーラタはカイラーサ山に赴き、シヴァ神に祈りを捧げた。シヴァ神も彼の願いを聞き届け、地上に落下するガンガーを豊かな髪で受け止めた。こうしてガンガーの聖水はヒマラヤ山中に注いだ。バギーラタの先祖の遺灰はその水で浄化され、霊は天国へ昇ることができたという。それ以来、ガンガーは聖なる河として、地上の人々に恵みをもたらし続けているとされる。

この神話を受けて、しばしば、シヴァ神の髪の毛の中にガンガー女神が描かれている。ガンガーは大きく口を開き、そこからガンガー(ガンジス河)の水が溢れ出している。

ガンガー(ガンジス河)は現在でも「聖なる河」としてヒンドゥー教徒の信仰の対象である。この河の水で沐浴すれば、全ての罪は浄められ、死後の遺灰をこの川に流せば輪廻から解脱できると信じられている。