フレイヤ

[北欧神話]

名称Freyja(フレイヤ)【古ノルド語】
容姿美しい女性の女神。
特徴愛と豊穣の女神。魔術
出典『ロキの口論(Lokasenna)』『ギュルヴィのたぶらかし(Gylfaginning)』ほか

愛と豊穣の北欧の女神!?

フレイヤは北欧神話に登場する女神である。ヴァン族の出身で、父親は海神ニョルズ。豊穣神フレイとは双子の兄弟。ヴァン族とアース族が争っていたときに、和解のために人質としてニョルズ、フレイとともにアース族にやって来た。美、愛、豊穣、戦い、魔法、死などと結びつけられる。美しい女性の姿で、性格としては自由奔放。特に性的に奔放な女神として知られる。オーズ神という夫がいるにも関わらず、オッタルという人間の愛人などがいる。

フレイヤはブリージンガメン(Brisingamen)という黄金の首飾りを持っていた。この首飾りをロキが奪おうとし、それを目撃したヘイムダッルが奪い返す神話がある(詳細はヘイムダッルの項目参照)。また、着ると鷹に変身できるという鷹の羽衣を持っている。この羽衣は何度かロキに貸し出されている。多産の象徴である豚は、フレイヤの聖獣である。また、フレイヤの戦車は2匹の猫が牽いたという。ヒルディスヴィーニ(Hildisvíni)というイノシシも持っていてこれに乗って移動することもある。

性的にはだらしないことで知られ、人間や神々の中に多くの愛人がいた。首飾りを手に入れるために、首飾りを製作した4人のドヴェルグたちと4夜を過ごしたとされている。『ロキの口論』では、兄弟であるフレイとも関係を持ったことを指摘されている。ただし、ヴァン族の中では近親相姦は日常的にあったことのようで、父親のニョルズも近親婚によってフレイ、フレイヤを設けている。

オージンと戦死者を分け合う権利があった!?

フレイヤの館はフォールクヴァング(Fólkvangr)と言って、その館にはセッスルームニル(Sessrúmnir)という大広間があった。フレイヤ女神はオージンと戦死者を分け合う権利を持っていたようで、ヴァルキュリャたちを率いて戦場に赴くと、戦死者たちを自らの館に運び込み、セッスルームニルで勇敢な戦士を選び取った。そこで選ばれなかった戦士がオージンの館ヴァルハッルに連れて行かれたという。このエピソードから、フレイヤはヴァルキュリャたちの親玉なのだ、と考えることも出来るだろう。

フレイヤは魔女!?

フレイヤはセイズ(seiðr)という魔術に長けていて、この魔術を駆使していたようだ。アース族にとって、魔術と言えばガルド(galdr)で、これは詠唱による魔術だったようだ。一方のセイズは霊的なものを呼び出したり、霊的なものになって身体を飛び出したりする妖しい呪術で、基本的には巫女が行う妖術だったようだ。好奇心旺盛なオージンは、どうも、フレイヤからこのセイズを教えてもらったようだ。ロキはオージンがセイズを使うことに対して「女々しい!」と罵倒している。恐らく、セイズ使いというのは中世の魔女のようなイメージで、ぐつぐつと鍋で妖しい秘薬を煮るような感じであろう。

ちなみに金曜日(Friday)はフレイヤの日である。古代ローマではウェヌス(ヴィーナス)と同一視された。