ドラコーン

分 類ギリシア神話
名 称 Δράκων〔Drakon〕(ドラコーン)《大蛇》【古代ギリシア語】
容 姿
特 徴
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

古代ギリシアの大蛇の怪物!?

ドラコーンは古代ギリシア語で大蛇、あるいは竜を意味する語である。英語のdragon(ドラゴン)という言葉の語源になっているが、古代ギリシア人の考えるドラコーンというのは大蛇で、現在の我々が連想するドラゴンのように、四肢を持ち、翼を持った怪物ではない。おそらく日本語の「ヲロチ」という言葉に、ニュアンスとしては近い。

テーバイで英雄カドモスが退治したドラコーンも、ヘスペリアで黄金のリンゴを守護していたラードーンという名前のドラコーンも、コルキスで黄金の羊毛を守護していたドラコーンも、みんな大蛇の怪物である。キマイラはライオンとヤギとドラコーンの合成獣であるが、背中から生えているドラコーンの首は大蛇だった。また、地獄の番犬ケルベロスもドラコーンの尻尾を持っている。

《参考文献》

  • 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)

Last update: 2009/11/03

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