ダエーワ

[ゾロアスター教]

名称Daēva(ダエーワ)〔アヴァスター語〕
特徴アンラ・マンユに従う下位の悪神たち。もともとは《神》だったが、「悪」を選択した。
出典『アヴェスター』ほか

悪神に従う悪魔たち!?

ダエーワはゾロアスター教において、悪魔を指す言葉。悪神アンラ・マンユの下に仕え、人々を悪の道に引き込もうとしたり、地獄で責め苦を与えたりする。本来、ダエーワは古いイランで「神」を意味する言葉だったが、堅苦しい儀式やイニシエーションの乱痴気騒ぎ、牛の供犠などを否定したザラスシュトラ(ゾロアスター)の宗教改革によって、彼らは邪悪な悪魔にされてしまった。原初の世界で、善霊スプンタ・マンユが「善」を選択し、悪霊アンラ・マンユは「悪」を選択したが、下位の神々であるダエーワたちも「悪」を選択し、アエーシュマのもとに馳せ参じたという。

ダエーワたちの元締めはもちろんアンラ・マンユで、最高神アフラ・マズダーに対抗し、冬や病気などのさまざまな災難をこの世界に撒き散らすが、実際にその実行部隊はダエーワたちである。『ウィーデーウダート』(その名も《悪魔に対抗する法》という意味)には6人の魔王が登場する。アカ・マナフ《悪思》、ドゥルジ《虚偽》、サルワ《無秩序》、タローマティ《背教》、タルウィ《熱》、ザリチュ《渇き》である。それぞれ、善神であるウォフ・マナフ《善思》、アシャ・ワヒシュタ《最善なる天則》、フシャスラ・ワルヤ《善き統治》、アールマティ《敬虔》、ハルワタート《完全》、アマルタート《不滅》に対応している。そのほかにもアストー・ウィーザートゥやウィーザルシャ、クンダなど多数のダエーワが知られている。

ちなみにイランとインドは同じアーリア人に起源を持つが、インドの方では、ダエーワと同語源のデーヴァが「神」として崇拝されていて、アフラ・マズダーと同語源のアスラたちが悪魔として扱われている。

《参考文献》