チセコロカムイ

[アイヌ伝承]

名称Cise-kor Kamuy(チセコㇿ・カムイ)《家を司るカムイ》
容姿男性神。
特徴家の守護神。

建った家を見守る神!?

アイヌでは家のことは「cise(チセ)」と呼ぶ。チセコロカムイは、このチセを司る神である。

伝統的な「チセ」は長方形をしており、長軸方向に上手と下手がある。上手側にはカムイ(神)が出入りする神窓、下手側には人間が出入りする戸が作られた。長方形の家の入口側には囲炉裏が作られ、この囲炉裏の火には火の女神アペフチが宿っているとされた。また、家の奥側には祭壇が作られた。チセコロカムイが祀られた。チセコロカムイとアペフチカムイが対になって家族の生活を見守っていると考えられた。このため、地域によってはチセコロとアペフチは夫婦として説明される。

「チセ」を建てる前と後にはそれぞれ儀礼が行われる。家を建てる前の儀式は「チセコテノミ」と呼ばれ、「チセ」を建てる候補地を決め、囲炉裏となるべき場所に火を焚いて、7日間、神々に祈る。その間に建て主が不吉な夢を見なければ、正式にその場所が「チセ」の建設地となる。不吉な夢を見た場合には場所を変更したり、土地を清めたりする。

「チセ」の建設が完了すると、今度は「チセノミ」と呼ばれる新築祝いをする。コタン(集落)の長老が囲炉裏に初めて火を入れる。そして木でチセコロカムイの像をつくり、家の中に安置する。その後、神々に祈りを捧げ、最後に家主が家の中の悪霊を払うために天井に向かってよもぎの矢を放つ。こうして「チセ」は人が暮らす場所になる。

チセコロカムイは一代限りのカムイで、家主が死んだときや家を壊すときなどに神の魂を天上に送る。