後追い小僧(アトオイコゾウ)

[日本伝承]

名称後追い小僧(アトオイコゾウ)【日本語】
容姿ぼろぼろの服を纏った子供の姿。
特徴山道で後をつけてくる。振り返ると姿を隠す。

ひたひたひた……と後をつけてくる子供!?

後追い小僧(アトオイコゾウ)は、その名前が示すとおり、山の中を歩いていると後ろをそっとつけて来る妖怪だ。神奈川県丹沢地方の山に伝わっている。幼い子供の姿で、大抵、ぼろぼろの着物や毛皮などを纏っている。無言で後をつけて来るが、その気配を感じて振り返ると、木や岩などの陰に隠れてしまって、その姿を見せない。ときには道案内をするかのように前にちらちらと出現することもある。日中の午後に出現することが多くが、夜中にも出現し、その際には提灯のような火を灯しているという。

物音を立てることもなく、ひたひたと後ろをつけて来るので、非常に不気味だが、特に人間に危害を加えるわけではないようだ。里に近づくと後追い小僧は自然に消えてしまうという。また、夜道で出遭ったときには、声をかけると消えてしまうとも言われている。慣れた地元の村人たちは、後追い小僧のために、握り飯や芋などの食べ物を切り株や岩の上に置いてやるという。

後追い小僧は人に懐いた幽霊か!?

丹沢山地は山伏や修験者の集う修行場として知られ、特に大山はかつては雨降山と呼ばれ、雨乞いの霊場だった。江戸時代には大山参りとして、たくさんの参拝客が訪れたという。山道を歩いていると誰かが後ろからついてくるような不気味な感覚が妖怪化したものかもしれないが、一説では、後追い小僧は死者の霊で、人間に懐いて出現するとも言われている。村人たちが後追い小僧に食べ物を与えるのは、この文化の名残りなのかもしれない。

《参考文献》