青行燈(アオアンドン)

[日本伝承]

名称青行燈,青行灯(アオアンドン)【日本語】
容姿長い黒髪の鬼女。
特徴百物語の会で100話目を語ると出現する。
出典鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』(1780年)ほか

百物語の会に出現する謎の妖怪!?

江戸時代に「百物語の会」という遊びが流行した。これは怪談イベントのひとつのスタイルで、数名で集まって、順番に怪談を話していく。そして、怪談を100話語り終えると本当に怪現象が起こると信じられたのである。

具体的には、新月の夜、100個の行灯を用意する。雰囲気を出すため、行灯には青い紙を貼る。そして100個の行灯を灯す。そして、参加者たちは青い衣を身に纏(まと)い、行灯の灯る部屋の隣の部屋で、順繰りに怪談を話していくのである。そして、1話語り終えたら、話者は隣の部屋へ行き、行灯を消して来る。こうして100話語り終えて、すべての行灯が消され、部屋が真っ暗になると、何らかの怪現象が起こるというものである。

もちろん、これは一種の肝試しのようなものなので、実際には99話で終了するのが暗黙のルールであった。そのため、どのような怪現象が起こるのか、具体的な記述は少ない。

また、江戸時代の怪談集『宿直草』には「百物語して蜘の足を切る事」という話があり、百物語の100話目で、天井から巨大な手が現れたという。これを刀で斬りつけたところ、3寸(およそ9センチメートル)ほどのクモの脚だったという。

さて、この百物語の最後に起こる怪現象のひとつとして、100話を語り終えると出現されるとされたのが青行燈(アオアンドン)という妖怪である。青行燈がどのような姿をしているのかを明確に記録している文献はないが、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』には、黒い長い髪と角を持ち、歯を黒く塗った白い着物を着た鬼女が描かれている。

灯きえんとして又あきらかに、影憧々としてくらき時、青行灯といへるものあらわるる事ありと云。むかしより百物語をなすものは、青き紙にて行灯をはる也。昏夜に鬼を談ずることなかれ。鬼を談ずれば、怪にいたるといへり。

(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』「青行燈」)