アンラ・マンユ

[ゾロアスター教]

名称 Angra Mainyu〔Aŋra Mainiuu〕(アンラ・マンユ)《悪霊》〔アヴェスター語〕
Ahriman(アフリマン)〔パフラヴィー語〕
特徴悪神。悪を従える魔王。アフラ・マズダーと敵対している。
出典『アヴェスター』ほか

全ての「悪」を従える魔王!?

アンラ・マンユはゾロアスター教の神話に登場する悪神。ゾロアスター教は「善」と「悪」とが戦う二元論の神話で、アンラ・マンユは「悪」の勢力を配下に置く魔王で、「善」を支持する最高神アフラ・マズダーと敵対する。悪魔ダエーワアエーシュマ、そして悪竜アジ・ダハーカなどの全ての悪を従えている。その姿は明確に描かれていないが、蛇やトカゲ、カエルなどの爬虫類と結び付けられることが多い。

「善」と「悪」の対立する世界!?

ゾロアスター教の世界観では、この世界は「善」と「悪」が対立する世界である。この世の始まりのときに、創造神である善霊(スプンタ・マンユ)は、もうひとりの創造神である悪霊(アンラ・マンユ)と出会ったという。スプンタ・マンユは「善」を選択し、アンラ・マンユは「悪」を選択し、それぞれ、自分の選択した原理に従って世界の創造を開始したのである。アフラ・マズダーを筆頭に善神たちは光の世界を創造するが、アンラ・マンユはそれに対抗して、冬や病気、悪などの16の災厄を創造した。大地を砂漠にし、海を塩水にし、植物を枯らし、動物を殺し、この世界を衰退させようとする。アフラ・マズダーはこれに対抗し、不断の努力で衰退や邪悪を退け、世界を浄化していくのである。

原初の時代に、アンラ・マンユは一度、アフラ・マズダーによって倒され、奈落へと落とされたが、次第にその力を回復しているという。そして力を取り戻すと、再びアフラ・マズダーと戦うのである。最終的にはアフラ・マズダーが勝利し、悪は消滅するわけだが、ゾロアスター教徒たちは善の勢力として常に悪と戦い、善神が勝利することを祈るのである。

《参考文献》