アガースラ

[インド神話]

名称अघासुर〔Aghāsura〕(アガースラ)【サンスクリット】
容姿大蛇の姿に変身。
特徴アスラ族の一人で、カムサ王の配下の将軍。大蛇に変身するのが得意。英雄クリシュナに退治される
出典『バーガヴァタ・プラーナ』ほか

洞窟に擬態して英雄を喰らおうとした悪魔!?

アガースラはヒンドゥー教のプラーナ文献『バーガヴァタ・プラーナ』に登場するアスラ族の一人。アスラ族といえば、神々と敵対する一族であり、アガースラの名前はサンスクリットで《悪》を意味するअघ(アガ)に由来している。要するに《悪のアスラ》という意味である。大蛇に変身するのを非常に得意としていたという。

アガースラは『バーガヴァタ・プラーナ』の中で、カムサ王の配下として将軍職を務めている。カムサ王といえば人間と悪魔のハーフで生まれながらに非常に残虐で、父王を排斥するとアスラ族と手を組んで、インド北部に悪政を敷いた。この悪逆非道のカムサ王を滅ぼすために、ヴィシュヌ神は英雄クリシュナに化身(アヴァターラ)した。

『バーガヴァタ・プラーナ』では、この英雄クリシュナの一行が旅の途中、アガースラが治める領土に足を踏み入れたときに、対峙している。アガースラは巨大な蛇に化けると、口を大きく開け、まるで洞窟の入り口であるかのように装いながら、彼らを待ち構えていた。クリシュナ一行は、最初はアガースラの罠だとも気付かず、洞窟だと勘違いしてアガースラの口の中へと入って行った。しかし胃袋に到達する直前、クリシュナは異臭に気付き、慌てて脱出を図る。こうして罠を見破られたアガースラはクリシュナによって退治されたという。

《参考文献》