2014年11月28日 活動写真

写真の撮り方には人間性が出るなあ、と思っている。

ボクの写真はいつだって散漫だ。いつもいろんなことを考えていて、ひとつのことに集中していない。それが如実に表れている。実にいろんなものを撮りながら、今ひとつ、焦点が合っていない。多分、シャッタを切るときには、頭の中が次のものに移っていて、もう、今撮ろうとしているものから興味が離れているのだ。

興味のあるものに集中している。そんな写真を撮る人もいる。写真を見ると、ああ、この人はこれに興味を持ったんだなあ、とよく分かる。でも、その代わり、自分に興味のないものはほとんど撮っていない。

仕事をしていて、現場に出掛けて、写真を撮る。今のところ、ボクは一番、若いので、みんなのプロジェクトの写真を集めて、撮影日や場所、撮影目的など、適切なカテゴリィで写真を整理する。だから、いろんな人のSDカードの中身を見ることになる。

感動したのはK山さん。ちゃんと活動写真になっている。写っているのは、風景でも、場所でもなく、仕事をしているボクたちだ。ボクたちの表情を撮影している。こういう写真の撮り方をする人に、ボクはあんまり出会わない。現場に行って、説明を受けて、いろんな物を見る。普通は現場の風景とか、説明をしてくれている人とか、説明されている物を撮る。あるいはちょっと離れたところから、作業風景を撮る。でも、彼の場合、そうではなくって、ボクがちょっと地図を広げて考え込んでいる様子とか、大丈夫かな、と心配げに様子を見ているT田さんの様子とか、そういう瞬間瞬間の表情を捉えている。まさに活動写真である。

ああ、こういう写真の撮り方もあるのだ、と思うとともに、こういう写真の撮り方をしたいな、と感服されられた。