2017年8月11日 魔王オディオ!!

『LIVE A LIVE』というトラウマ系ゲームがある。ボクが中学生の頃のスクウェア社のゲームだ。シナリオはかなり攻めていて、言葉のない世界もあれば、主人公が途中で交代する世界もあれば、戦闘のない世界もある。結局、魔王は不在で、絶望した勇者が最終的には自ら魔王になって世界に襲い掛かる。音楽は激情型コンポーザの下村陽子氏で、オケヒとエレキを多用した荒々しいボス・バトルに多くの人が魅了された。

ももいろクローバーZの新曲『BLAST!』のカップリング曲の「境界のペンデュラム」のPVがYouTubeにアップされたので視聴したら、パイプオルガンが鳴り始め、格好いいなあと思っていたら、突然、この『LIVE A LIVE』の「魔王オディオ」のフレーズが流れてビックリした。最初、似ているのかなと思ったが、全く同じ楽器構成、コード進行、旋律だ。思わずGoogle先生に「境界のペンデュラム パクり」と問うてしまった。実際にはパクりではなく、ちゃんと許可を得てモティーフに取り入れたものらしい。

例えば、大森靖子の『夢幻クライマックス』はショパンの「革命のエチュード」で始まったかと思ったらベートーヴェンの「月光 第三楽章」になるというてんこ盛りな変則。例えば、SEKAI NO OWARIの『Love the warz』は同じく「月光 第一楽章」のピアノ旋律を下敷きにして、ヴォーカルがのっかっていく。実のところ、ボクもサワハト氏に頼まれてつくったRPG「Hello the world」のボスバトルの楽曲にはスメタナの「モルダウ」のヴァイオリン旋律をモティーフに用いた。クラシックだったらよくあることだ。でも、最近の楽曲(1994年だけれども)をこうやってモティーフにするというのは斬新で、なかなか面白いな、と思う。

今でこそ死に体みたいなスクウェアだけれども、まさにボクの子供の頃の、彼らの全盛期の音楽を持ってこられてしまうと、ももクロどうこうではなく、何だか無性に懐かしくなって、叫びだしたくなってしまう(笑)。