2017年5月1日 なかったことにされてしまうのが嫌なので。

いるま嬢が一昨日、新譜のMVを公開していた。予定は把握していたが、うっかり失念していた。

今の時代、音楽は音だけでなく、映像もセットらしい。映像がないと、そしてYoutubeにアップロードされないと、なかったことにされてしまう。そんな風に大森靖子が言っていて、はたと、ああ、そうだなあ、と痛感した。Youtubeをきっかけに新しいアーティストを知ることも多くなったし、膨大な楽曲があるはずなのに、Youtubeを梯子して、そのアーティストの楽曲を知った気になったりすることも多い。Youtubeを介してしか触れ合わない音楽が圧倒的に多くなっている。だから「なかったことにされてしまう」というのは、決して過大な表現ではない。そういう意味じゃ、あまりガンガンと新譜を出さないいるま嬢が、こうしてMVを引っ提げてやって来るというのは、非常にいいことである。

いるま嬢の良さというよりは、ヴァイオリンとギターを全面に押し出したような楽曲で、彼らの魅力が存分に堪能できる。その一歩引いた感じも、また、面白いな、と感じる。プロデューサだなあ、彼女は。