2017年3月5日 劇場型国会を憂う。。。

最近はYoutubeに国会中継が載っている。面白いシーンだけを抜き出しているので、編集者のバイアスがかかっている場合もあるだろうから、油断は禁物である。でも、これが非常に面白いのである。そして、面白いということが、実は大問題である。

明らかに野党のレベルが下がっている。もっとちゃんと政策に対して前向きな議論をして欲しいのに、政府を攻撃することを主目的にしてしまっている。たとえば、この政策はこういう欠点があるからこう変えるべきだとか、こういう視点が抜けているから追加しろとか、もっとこういう側面をちゃんと政策に盛り込めとか、そういうのが国会の本来の場であろうと思う。

森友学園の疑惑で、8億円がどこかに消えてしまったのかもしれないが、それは国会でああだこうだ議論することではない。適正な手続きを踏んで、本来の土地の価格を再鑑定すればいい。国会の場で「国有地が価格で売買されるのはおかしいのではないか」と最初に指摘することは正しい。でも、それを延々と国会で議論するのはおかしい。後は再度、鑑定をするわけだから、その結果を待てばいいし、政治家の関与があったかどうかなんてことは、国会で議論することじゃない。司法がやればいいことだ。野党に攻撃されて、与党が防戦する。そりゃあ、面白いかもしれないけれど、それが国会の議題なのか、とボクは憤りを感じる。

昔の国会中継は面白くなかった。もっと静粛に、たんたんと進められていて、聴いていて眠くなるような感じだった。今はかなりアドリブで発言している感じ。ある種の「見世物」になっている。だから、Youtubeにアップロードされて、盛り上がるわけだけれど、でも、「見世物」として過剰に演出して、相手を攻撃することは、本来の国会の目的とは違う。ディベードで勝ったとか負けたとか、相手のイメージを貶めてやったとか、そういうことが大切なのではなくって、議論を通して、よりよい政策に深めていく、あるいは誤った政策を軌道修正する。そういうことが大切だ。野党はその辺を明らかに見誤っている。

議会は常に質問によって幕を開ける。いい質問をすることが重要だ。今はただ、与党を貶めようとする野党の党利党略が前面に押し出されている。でも、有権者はそんなにバカではない。どんどん野党の株が下がっていくだけだ。どこかで方針転換を図る必要があるだろう。