2017年2月10日 雛飾りの左大臣は向かって「右」!?

今日は「左利きの日」なのだとか。「0210」をレフトと読むからだそうで、出たな、日本人の大好きな語呂合わせ!!

ボクは左利きである。でも、こんな日があることを知らなかった。

左利きの人は全体の10%くらいらしい。つまり、10人に1人。クラスに3人はいるくらいの割合で、言うほど少なくもない。運動部の女子マネージャーの方が圧倒的にマイノリティである。女子マネージャーは優遇されるのに、世の中では左利きは虐げられていて、右利きの人が便利なように社会や製品が出来ているのだから、10人に9人という多数決は世界に対して強い影響力を持っている。

今、ボクはパキスタンにいる。パキスタンでは左手は「不浄の手」である。これがインド文化の影響なのか、それともイスラーム文化の影響なのかはよく分からない。どちらも宗教上、左手は「不浄の手」である。

前回、10月にパキスタンに来たときにお茶菓子が出され、うっかり左手でスナックを取ったら、現地スタッフにこっぴどく叱られた。「今、お前は何故左手を使ったのか! 何故お菓子を左手で掴んだのか!」と強い口調で詰問された。無自覚でやったことなので、最初、何が彼の逆鱗に触れたのか分からなかったほどだ。次の日、車で移動中にも彼に「今日は偉い人と会う。お菓子を出されたら絶対右手で取るように!」ときつく言われた。日本に住んでいると 意識しないが、文化によってはこういうこともある。

それ以来、ボクはパキスタンにいる間は左手は封印し、右手で食事をしている。最初は慣れなかったが、今ではフォークもスプーンも上手に使えるし、ホテルでは箸で食事ができるようになった。幼少の頃、親や先生に矯正されても、がんとして聞かず、左利きを通した強情なボクが、この年で従順にも右利き矯正中である。