2014年1月30日 鉱物を巡る紛争を激化させないために。

パパンが北海道での仕事が決まり、ママンから自動車を買うとの連絡があった。ツクル君も生まれ、ボクたち家族の環境もめまぐるしく変わっていく。

もう、ね。何を買うか相談するという形をとりながらも、ワーゲンのアップの赤を買う気満々だ。ママンの心の中は決まっている。後は背中を押す一言が欲しいだけ。それが分かっているボクは、敢えてゴーサインを出してあげない。あれもいいよね、これもいいよね、と言いながら、焦らして、悩ませてやる。ひねくれた性格は親譲りだ。

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そうそう。ヘリウムガスを吸うと変な声になるでしょ。あれってどういうメカニズムなの? あるいはPCの回収が義務化されているけれど、その目的がなんなの? レアメタルとかレアアースって何?

「美しい元素」は、その答えが明確に書いてある本だ。周期表の順に従って、ひとつひとつ元素をイラストや写真、発見の経緯や主な用いられ方なんかを含めて、紹介してくれる。

たとえば、ヘリウムの話。空気中では音は秒速340メートルで移動する。でも、ヘリウムは窒素よりも密度が小さいので、音は秒速970メートルで移動する。ヘリウムガスを吸うと、常温の空気よりも密度が小さくなるため、音が速く移動する。これが変な声に繋がっている、というわけ。あるいは水素の話。宇宙で最初に作られた元素が水素らしい。

PCを回収する理由は、この本によれば、原料にレアメタルを使用しているためだという。紛争鉱物と言って、その原料の需要が高まって、紛争になっている鉱物のこと。その紛争を加速させないため、紛争地域からの鉱物の購入を控える。そのために、PCを回収して、レアメタルを回収して、再利用する。ボクたちの知らないところで、鉱物を巡って紛争が起こっている。そう思うと、PCを大切に使わなきゃいけないなあ、と思うわけである。


『学研の図鑑 美しい元素』
(学研,2013年)