2014年4月21日 道具とは……

「道具は使いやすくなくっちゃ、道具じゃない」

本日、ある機器制作メーカを訪れた。そのときに社長がそう仰った。彼曰く、複雑で難しいのは、道具としての要件を満たしていない。誰が使っても、同じだけの成果が出るのが、いい道具なのだ。そう力説されていた。そして、そう仰るだけあって、この会社の製品は人間工学的だし、使いやすい。ボクもあっという間に使い方を覚えてしまった。

さらに、道具は与えることがゴールではなくて、ちゃんと長く使い続けてもらうことがゴール。これも彼の強い哲学らしい。国際ビジネスでいろんな機材が発展途上国に入っていく。でも、現実は、うまく行っていない場合が多い。壊れてそのまんまだったり、使われなくなって放置されていたりする。場合によっては、すごい道具だ、などと展示されていたりする。そういう国際ビジネスがあまりに多いことを、社長は憂いているのだ。

ボクたちは現地に道具を持ち込むだけじゃなく、使い方を教えて、長く使えるようにしなきゃいけない。今回、ボクたちは現地でトレーニングをして、ちゃんと使えるようになるまでサポートする。だからこそ、社長は納得してボクたちに機器を提供してくれるのだ。

社長の想いを汲んで運び込んだ機材が現地で技術者たちに長く使い続けてもらえるような仕組みをつくる。それが、今回のボクのミッションのひとつだな、と思っている。技術継承のシステムも構築しなきゃいけないだろう。