2014年6月11日 椎名林檎の『NIPPON』は右翼ごっこか!?

椎名林檎の『NIPPON』が話題になっていて面白い。右翼ごっこなどと揶揄されているけれど、左翼の人は、中道を言っても右寄りに受け取るから困ったものだ。どれだけ歌詞を読んでも、右翼ごっこではないと思う。ましてや、軍国主義とか、神風特攻隊を連想させるものなのだろうか。まあ、椎名林檎そのものは、軍国主義的な演出を多用するアーティストではあるんだけど、この『NIPPOIN』の歌詞だけ捉まえると、そんなに右翼っぽくはない。「混じり気の無い気高い青」というのが「純血」を連想させるのかもしれないし(色の話だと思うんだけど)、「いざ出陣」とか「鬨の声」が「戦争」を連想させるのかもしれない(試合にも使う言葉だよね?)。あるいは「不意に接近している淡い死の匂い」というのが引っ掛かるのかもしれない。これって、ぴーん、と緊張感を張り詰めた瞬間の選手の高揚感というか、独特の気分を表したうまい比喩だ、と思うんだけど、ね。死に肉薄するような感覚。こういうのって、集中しているとしばしば訪れる。ボクには経験のある感覚だけどなあ。

ホイッスルは鳴り響くし、列島が熱狂する雰囲気とかも、うまく表現できているように思う。変な転調、不協和音。後半、音楽がぐちゃぐちゃしていく感じとか、ホント、ワールドカップに浮かれる日本人だなあ、という感じ。

でも、この歌に対しては、別の視点での指摘もあって、これって、あくまでも日本の応援歌であって、ワールドカップの主題歌ではないよなあ、というもの。日本があっという間に初戦敗退してしまったとき、この曲はどうやって受け止めればいいのだろうか。その辺、NHKはどう考えているのかしら。という疑問がないわけではない……よなあ。