2014年5月27日 スタート地点に立つ。

しばしば、「目的」と「手段」を取り違える。でも、それにしたって、そういう受け取り方をするのか、と思って、ボクとしては衝撃を受けた日だ。

今まで、フィリピン人に対して、いろんなデータの収集とまとめ方を伝授してきたつもりだった。ようやく、彼らも動き出して、あっちこっち現場を歩き回ってはデータを計測して、いろんなデータが集まってきた。それらを全部、一つの地図上に落とし込む。どこに課題があるか、可視化するためだ。そうして、いろんなことが分かってきたなあ、と思っていた。それでボクが「これで課題が見えてきたでしょう?」と訊いたら、きょとん、とされてしまった。「どういう意味ですか?」と訊き返して来たのは、チーム・リーダの女性。「課題が分かったんだから、改善のための計画を立てよう!」と言ったが、ぴん、と来ていない模様。そこで「例えばね……」と説明したら、ようやく合点がいったらしい。「ああ、言っている意味が分かった!」と手を叩いている。「それで今までこのデータを集めていたのか!」

要するに、今まで、目的も分からずに現場に出向いて、測定して、データ整理をしてきた、ということなのだろう。そう思うと、よくもまあ、ここまで頑張って付き合ってくれたよなあ、と思う。そういう意味じゃ、ここからが本番なのだ。データは集めているだけじゃ、意味がない。分析して、結果が出て、改善に繋げる。1か月やってきて、ようやくスタート地点に立った。その認識を、多分、今日、彼らと共有できたのだ、と思う。