2014年7月14日 この世は「ばけものだらけ」!?

雨鳥『ばけものだらけ』が独特の雰囲気で、非常に面白かった。そこまで過度な期待をしていないで読み始めて、いい意味で、見事に裏切られた。素敵な漫画だ、と思う。ほのぼのとした画だけど、白黒の濃淡とか、ゆらゆらと揺れる手書きの線とかが、ふ、と引き込まれるような瞬間がある。そして、いろんな妖怪が登場する。妖怪フェチのボクとしては、へえ、そういう解釈で描くのかあ、と驚くことや不思議に思うこともある。でも、ひとつの妖怪に対して、独特の感性と解釈で切り込んでいく姿勢は、非常に真摯で、クリエイタだな、と思う。女郎蜘蛛の腕が6本で描かれていたり(足も含めると8本になる!)、片車輪が自転車の車輪に棲みついていたり、雲外鏡が水にも憑依できたり、面白いな、と思う。そして、何気なく、自然にこの世界に存在しているような描かれ方。まさにタイトルのとおり。ばけものだらけ、なのである。まだ1巻なのだけど、今後の展開に期待だなあ。水木しげる曰く、妖怪千体説なので、まだまだいくらでも新しい妖怪が登場させられるのである。楽しみだなあ。ふふふ。


『ばけものだらけ 1巻』
(漫画:雨鳥,ライバルコミックス,2014年)